硬度9Hという表示、よく見かけますよね?お店でも時々聞かれます。
我々の扱うガラスコーティングも当然「9H(笑)」です。
(当然と「笑」の意味はまたのちほど)
今回は、知ってそうで知らない「9H」の意味について書いていきます。
硬度表示の種類
硬度表示にはここで取り上げる「●H」というものと、数字だけのものの2種類をよく目にすると思います。 後者の数字だけのものはダイヤモンドが最高硬度の10で知られる「モース硬度」というものですが、これは別の機会に取り上げるとして、今回は「●H」の表示についてどういう規格か書いていこうと思います。
硬度の「H」とは
まず「●H」というものは何かというとJIS規格の鉛筆(引っ掻き)硬度というものです。
実は皆さん誰でも馴染みのあるもので、HというのはHardの頭文字で、鉛筆の芯の硬さの例えば「HB」や「2H」のHそのものの意味です。
硬度表示ではどのような意味を持つかというと「4H」というのは4Hの鉛筆の芯で引っ掻いても傷が付かず、5Hの鉛筆だと傷が付くという意味になります。
鉛筆もメーカーによって硬さもまちまちですから、基準を統一するために鉛筆の種類も三菱UNI鉛筆と決まっており「6B~9H」が表示の種類で「9H」が最高の硬度となります。
そもそも何のための表示か
この試験は主に塗装の硬度を調べるのによく使われる試験で、試験に使うのは三菱UNI鉛筆となります。以前はJIS規格として「9H」まで表示がありましたが、現在のJIS規格上は「6H」が最高値となります。但しUNI鉛筆は「9H」まであるので、9Hまでは一定の品質で検査ができると考えることができます。
ここまで読んでいただいて、一部の方は「え?」と思われたと思います。
「俺、10Hって見たことあるよ」
「私は13Hを見たよ」
という方です。ガラスコーティングやスマホコーティングについて色々勉強されている方だと思います。
これは、海外製などの鉛筆を使い、そのお店やメーカーが独自に表示しているものです。
いわば、違う基準の鉛筆による検査になりますので同一基準下での検査とはいえませんのでご注意ください。
スマホの画面に「9H」は重要か
よく誤解されているのですが、硬度とは傷のつきやすさを表すものであり、割れにくさを表すものではありません。
そして、ガラスコーティングが割れにくくなるのは硬度に起因するものではありません。この辺りについてはまた別の機会に記事にしたいと思います。
そもそも純粋なガラス自体が「9H」の硬度を持つため、使うガラスコート剤が「無機質ガラス」であれば必然的に「9H」の硬度となります。ガラスと同じ硬度であることは「コート面に傷がつき、美観を損なわないため」に必要ですが当然のものであって、さも強さの象徴のように前面に押し出して謳うほどすごいことでも重要なことでもありません。
ガラスフィルムで「9H」のフォントが一番大きいパッケージは少し笑えます。
ただ、車のコーティング剤が「ガラスコーティング」か「ガラス系コーティング」かを見分けるためには役に立つかもしれませんね。
コーティングスミスのコート剤はどうなの?
最後に、VIDRのガラスコート剤は純粋な無機質ガラスコート剤です。
上記のお伝えしたとおり、当然のことでしかなくさして重要ではないものであり、お客様に安心していただくための記載にとどめておりますが、三菱UNI鉛筆を使った硬度表示でいえば「9H」となります。(限界値なのでさらに細分化するならそれ以上の硬度です)
まとめ
9Hの意味について書いてきました。拙い文章ご理解いただけましたでしょうか? お店によって使っているガラスコート剤も違います。ガラスコーティングを選ばれる際には、それぞれの店舗のコート剤やお店の店員の知識などの部分に目を向けてどのお店でやるか決めてもいいかもしれませんね。
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